鍼灸治療がもたらす3つの効果
鍼刺激で筋肉が緩み血流が改善する
鍼刺激は筋肉にわずかなキズを与えることで小さな炎症を起こします。すると体が炎症を治そうとする反応で、筋肉や血管から様々な血管を拡げる物質を放出します。すると、筋肉の血液の流れがよくなります。筋肉の血液循環が改善されると、疲労や痛みを出す物質の洗い流しを促します。それによって、疲労や痛みを回復し、筋肉の緊張も和らげ、自然治癒力(自分で自分を治そうとする力)を促進します。
鍼刺激によりリラックスする
鍼治療をすると、リラックス効果のあるセロトニンというホルモンなどが分泌されることがわかっています。セロトニンとは脳で働く、神経によって情報を伝える物質のひとつで、感情のコントロールや神経の安定に深く関わっています。そのため鍼治療をすることでセロトニン量が増え、リラックスするようになります。
自律神経を整え、ストレスを緩和する
自律神経が乱れている=日常のONとOFFの切り替えができていないということです。なので、ストレスを必要以上に感じてしまい、緊張しやすく、普段から体に力が入っている状態に陥ってしまいます。そういう体に対して、鍼を刺すことによって血液循環を上げて一時的に交感神経優位(体をONの状態)にし、人間の”体を平衡に保つ習性”を利用して副交感神経優位(体をOFFの状態)にします。そうすることで、ONとOFFのリズムを取り戻すきっかけを作ります。
鍼灸治療は注射のように痛い治療ではありません
患者様1人1人に合った刺激量
患者様それぞれにあった刺激があり、鍼の太さ・長さ・打つ本数・施術者が刺すスピード・深さ・部位・患者様の症状や体調などによって体に与えるべき刺激量が変わります。
初めて鍼灸治療を受けられる方は、特に体が緊張しますので優しめの刺激量から始めていきます。
注射針より細いハリを使用
個人差がありますが、みなさんが痛いと感じる注射針の太さは「約0.5~0.9㎜」といわれています。しかし、鍼治療でよく使われる鍼は「0.14~0.34㎜」で、髪の毛ほどの細さの鍼を使用します。ですので施術時に痛みを感じることはほとんどありません。
鍼灸治療をするべき症状
神経系 | 神経痛(三叉、肋間、坐骨神経痛など)、頭痛、歯痛、顔面神経麻痺、しびれなど |
運動器系 | 五十肩、むち打ち症、頸肩腕症候群、腰痛症、ギックリ腰、椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、膝の痛み、リウマチ、肩こり、寝ちがい、筋肉痛、捻挫、テニス肘、腱鞘炎など |
消化器系 | 胃のむかつき、便秘、下痢 |
循環器系 | 動悸、浮腫、冷え性など |
内分泌系 | 生理不順、更年期障害など |
呼吸器系 | 喘息、咳など |
泌尿器系 | 膀胱炎、前立腺炎など |
感覚器系 | 眼精疲労、鼻炎、副鼻腔炎、耳鳴り、メニエール症候群、めまいなど |
婦人科系 | 生理痛、更年期障害、冷え、のぼせ、つわりなど |
小児科系 | 夜泣き、疳の虫、便秘、消化不良、夜尿症など |
その他 | 自律神経失調、睡眠障害、不眠症、ストレス性疾患、心身症、アレルギー、アトピー性皮膚炎、慢性疲労、 |
☆あくまで代表的な目安の症状、疾患になるので患者様の状態に応じて判断いたします
鍼灸治療の効果が現れるまでの期間
鍼灸の効果は、早い場合だと治療を受けた直後から出ます。また、遅いと数日かかる場合もあります。鍼灸の効果が出るタイミングは、個人の体質や、治療の刺激量やその日の体調によっても異なります。
施術後の刺激の余韻
鍼治療の際に鍼が皮膚を通り、凝り固まった筋肉に直接アプローチしていきます。その固まった筋肉に鍼が当たると、鍼を受ける人によって様々ですが、ズーンと重だるさを感じたり、円状に“ジワッ”と広がったり、逆に“ビッ”と鋭く走るような感覚を感じます。これらの感覚を鍼治療のなかでは「響き」と呼んでいます。この「響き」は「痛み」とは異なり、マッサージの時に気になるところを押された感覚に近いものです。この「響き」は余韻として数日残る可能性があります。しかし、どれだけ余韻が残るかは個人差があるので一度経過を診ていただかないといけません。早い人は治療直後、長い人で2、3日余韻が残る方もいます。その余韻が消えた後、症状がどう変化しているかによって刺激の量もその都度変えていきます。
定期的に鍼灸治療をするメリット
痛みの出にくい体作りができる
日常生活を送るうえで、仕事や家事などで負担が”0”になることは中々ありません。負担がかかり続けていれば体はいずれ限界を迎えて、痛みとなって症状が現れます。鍼灸治療によって負担の軽減を定期的に行うことで痛みがない体をキープできる体づくりを目指します。
健康な体を維持することで、日々のパフォーマンスを向上する
仕事中や日常生活での家事で体の不調を感じにくくなると、物事が効率よくできたり、思考力の向上にも繋がります。痛くなって治療してその場しのぎではなく、健康な体を維持することで、日々のパフォーマンスの向上に繋がります。また、治療を繰り返していくことで治療効果の持続期間は延びていく傾向があります。